福耳は今夏のスーパースター

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今年の夏のダブルヘッダー。福耳とマー坊ナス。


 すべては春まだ浅い3月9日の種まきから始まった。この日、サカタのタネで熱烈宣伝されている「タネまき土ポット・ジフィーセブン」に、ビーツ、紅くるり、マー坊ナスなどとともに「ジャンボとうがらし福耳」の種をまいたのである。あれから半年以上、思えば長い旅でござった。

 そもそもトウガラシをやろうと思ったのは、このエディブル・ガーデンがしょっちゅうパクっているはじめさんのブログで絶賛されていたから。我が家はそんなに辛いものは好きじゃなく、以前に韓国トウガラシを育てたことがあるきりだったけど、すごく美味しそうだったし、大量収穫が期待できそうだったので迷わず真似することに。

 しかし、難関があった。福耳という珍しい種類のトウガラシだけに、いつものように近所のホームセンターで気軽に苗を買う、というわけにはいかなかったんだね。そのへんじゃ絶対手に入らない珍種なので、種から育てるしかない。げげっ、種をまいて発芽させて、間引いて、良さげなヤツを選んで、一人前の苗に育て上げて・・・という地道な行程がことごとく苦手な私のよーな人間にとって、そいつあハードル高いっすよ。しかし、ふにゃふにゃ言ってても福耳の苗が空から降ってくるわけじゃなし、種も一袋378円とかで買っちゃったし、ここはもう意を決してやるっきゃない。
 てなことで種をまき、2、3週間後には発芽してきた。福耳、けっこう発芽率は高かったんだよねえ。

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これがたぶん発芽間もない福耳。マー坊ナスだったらごめんね。似てるのよ。

 ジフィーセブンひとつに3、4粒の種を仕込み、双葉が出てきてある程度大きくなったところでいちばん強そうなヤツを残してあとは間引いてしまう。4月の半ばにはジフィーセブン中に根が回ってしまったので、大きめのポットに移す。このあたりまでは屋内でやってたんだけど、もうそろそろ暖かくなってきたので外に出して生育させる。

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植えつけた日の福耳3苗。すでに前途多難の様相。


 と、そのときまではいくつもあった苗が急に調子悪くなってきて、次々と枯れだした。なんでなの〜!? 使い物になる苗がギリギリ4つ、5つ、と追い詰められてきたところで、いよいよ5月半ば、植え付けのときがやってきた。
 今回福耳を植えたのは、新たに購入した27リットルの大型のプランター。さぞかしいっぱい苗を植えつけられるであろうと思ったら、容積はでかくてもそれはやたら深い(高さがある)からであって、てっぺんの植えられる部分はけっこう狭い。ありゃま、と思ったが、都合のいいことに我が家産の福耳苗、非常に数に限りがありまくっていたので、結果的にこの新プランターでオーライであった。

 植えつけた3苗、どれも貧弱で「大丈夫なのか!?」と心配になるほど。自分には育苗業者の素質はないと以前から思っていたが、改めてその現実を突きつけられた感じだ。とにかく狭いポットから大きなプランターに移植したのだから、のびのびとした空間を得てバイタルフォースを強めてくれることに期待するしかない。祈るような気持ちでプランターを見つめる広岡だった。いや、オレなのだった。

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5月22日の3苗.いちばん右は葉っぱを食われて茎だけの一本立ち。

 がしかし。どうしたことでしょう。植え付けから一週間経つと、バイタルフォースを強めるどころか、さらに一段と貧弱に。何者かによって葉っぱを食われているらしく、中にはマッチ棒よりも細くなってしまった苗もあって、これはもう一家滅亡の危機である。

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行灯とはいえ火気厳禁である。ビニールハウスとも言えるか? 屋根ないけどね。
 
 そこで6月初頭、やっとこさ一計を案じることに。虫たちから身を守り、さらに外の暑さ寒さや風などの影響を防ぐために、行灯(あんどん)を導入したのである。農家の人なんかは肥料の入っていた袋なんかで上手に行灯を作っているが、苗のサイズがあまりに小さいので、棒を4隅に立て、ラップでまわりをぐるりと覆ってみた。驚いたことに、これで虫食いの被害がピタリと止まった。虫は屋根が空いていることがわかんないんだろうか? 地面を這うような背の低い虫なのか?

 と、それからは一気にイケイケモードに転じてくれた。最初大小差があった3つの苗は6月末にはどれも元気に大きくなり、7月に入ると次々と白い花を咲かせ始めた(なぜか写真がないのよねえ)。そして7月半ばには、おおおおお、なってるなってる、葉っぱの陰に隠れてはいるものの、シシトウを細長くしたような実が、おおおっ、ここにも! わああ、あそこにも!! 

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葉っぱは食われても株は元気そのもの。あちこちに福耳がミニチュア傘のようにぶら下がっている。

 8月になると収穫はいよいよ加速。一本の枝にいくつもの実がプラプラしていて、それが1日だけじゃなく、連日のように続くのだ。プランターが深いだけに根が十分に伸びているのだろう、茎が太くなって枝葉がどんどん茂り、3株ではぎうぎうのジャングル状態。まさかこんなに大きくなるとは・・・いったんは死にかけてただけに驚くばかり。

 と、このようなわけ次第で、我が家の食卓に福耳が姿を現わさない日はない、くらいの事態になっている。しかし、いきなり我が家が辛党に変貌して、毎日火炎を吹きながら食事をしているか、というとそうでもない。

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福耳のジャングルブック化しつつある今日この頃。9月後半になっても花が咲いてるので、まだまだ行けそう。

 なぜならば、福耳にはいろいろな味があり、従っていろいろな食べ方ができるからなのだ。最初の頃は、シシトウを細長くしたくらいの大きさの実を収穫してそればかり食べていた。小さめの実はピーマンのようにむしろ甘さが強く、辛さはシシトウ程度。生でもぽりぽり食べられるほどだから、サラダや浅漬けなどにもじゃんじゃん入れていた。しかし、当時はそれが「ジャンボとうがらし福耳」なのだと思っていたんだけど、ちょっと考えてみると、これ全然ジャンボじゃないよね? 

 真のジャンボとうがらし福耳の威力を思い知ったのは、収穫し忘れていて、人知れず巨大化していた実を発見したときのこと。今まで食べていた実の5、6倍はあろうかというほどに膨らんでいた。あれれ、そういえば確かにジャンボだし、もしかしてこれって福耳(耳たぶの大きい耳のことで、福相と言われる)の形? ありゃまあ、それじゃ今まで食べてたのは一体何だったの!? って話である。

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左は最初の頃食べていたミニ福耳、左はジャンボ福耳本来の姿。もっと大きくなってダンボになっちゃったりもする。

 しかも、味は全然違っていて、辛さもジャンボ級! 刻んでいて涙が出るほど刺激的で、ある程度量を使えば鷹の爪くらいの辛さを作り出すことも可能。それでいて辛いばかりの香辛料ではなく、ちゃんと野菜として味わって食べられるところが大変けっこう。炒め物や煮物に入れると、料理に爽快なパンチを加えてくれるのみならず、野菜としての存在感をちゃんと放ってくれちゃうところが嬉しい。

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福耳ペペロンチーニ、癖になる美味しさだわよ。

 今や、我が家のいろんなメニューに連日出演している福耳ちゃんだが、私のいちばんのオススメはペペロンチーニのスパゲティ。鷹の爪だったらたんなる辛味でしかないけど、福耳は辛いばかりじゃなく、野菜の甘みや旨みがしっかり入ってるから、ぐーんとリッチな食べ応え。作るのが簡単なのもベリーグッド!

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ニガウリ好きの定番、油燜苦瓜も今や辛味は鷹の爪でなく福耳で。今に麻婆豆腐にも福耳が入るようになるのか!?

 そんなわけで福耳のおかげで新たなトウガラシの世界に目覚めてしまった我が家。来年も絶対やろう! などと、福耳は早くも春夏野菜の重要アイテムの仲間入りを果たしてしまったかのようだ。しっかし、また種まきしないとならないのは頭痛いよなあ。・・・と、相変わらず失敗から何ひとつ学んでいないエディブル・ガーデナーなのであった。



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2016/09/21(水) | 2016年春夏菜園やってます | トラックバック:(0) | コメント:(2)

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はじめ♪♪

『No title』

都会の虫は食べるものが少ないんだね~
こんな小さな葉っぱも食べちゃうんだねw
ジフィーセブンなんて高級お布団でなくても、
ポットに土入れて撒けば発芽するよ~~
ポットだとだいぶ大きくなるまでそのままでいいから。

本当に、唐辛子の概念を覆すちょっと辛い野菜だよね。
うちも福耳2かな?3?シーズンだから、もうなくてはならない必須アイテムです。

2016/09/23(金) 09:51:51 | URL | [ 編集]

ginfoo

『Re: No title』

こんにちは、はじめ様!

> ポットだとだいぶ大きくなるまでそのままでいいから。

たしかにそーだわ。
ジフィーセブンの威力は今回まったくわかんなかった!
もっと大きいポットに植え替える手間が面倒なだけで。
でもジフィーまだまだ余ってるから来年もやっちゃいそう。。。

> 本当に、唐辛子の概念を覆すちょっと辛い野菜だよね。
> うちも福耳2かな?3?シーズンだから、もうなくてはならない必須アイテムです。

ほんとにこれは使える!
赤くなるまで熟れるとすごく辛いらしいね。
まだまだいろんな食べ方が開拓できそうですよ。

2016/09/23(金) 10:27:59 | URL | [ 編集]

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