世界ウン億ガーデナー必見!とは言わないまでも、ガーデナーの間で話題になっている映画『マイ・ビューティフル・ガーデン』を見てきた。図書館に勤務する生真面目な女子ベラ(『ダウントン・アビー』に出ていたジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は、自分の殻を打ち破りたいと思いながらも型通りのライフスタイルから抜け出せずにいる。何から何までぴっしり形にはまっていなくては気が済まない彼女は、無秩序に伸びる植物が大の苦手。おかげで庭は荒れ放題になっていたのだが、ある日「一ヶ月以内に庭を元どおりにできなければアパートを出て行くこと」という家主からの通達が届く。さて、彼女はこの危機をどうやって乗り越えるのか!?……という設定に、ロマンスや隣人とのバトルが絡んで山あり谷あり。大いにワクワクさせてくれるキュートな作品といえましょう。
悲しい境遇に生まれながら健気に生きるベラを、男どもは放っておけません。
さて、エディブルといえどもガーデナーの端くれである私、ロマンスにはしゃいでばかりはおりませぬ。ガーデナー的観点からもしっかり鑑賞させていただいたわよ。
舞台がイギリスなだけに、お庭は当然「植物の自然な姿をそのままに生かす」イングリシュ・ガーデン。ガーデニングの盛んな国だけに、その辺のリアリティはしっかりしていて、たったの一ヶ月の期間で作り上げる庭がそんなものすごいことになったりしない。これがアメリカ映画だったら、最後にはターシャさんの庭みたいに壮大なことになって、湖面にボートが浮かび、マット・デイモンが白馬に乗って登場する……なんてことになっちゃうのだが。周囲の優しい男性陣の助けもあって(←主人公がめっちゃ美人のせいだとしか思えない展開)完成した庭は、やや日陰がちながら池などあって、彼女の思いがしっかり貫かれている。ベラがノートに庭のデザインをあれこれ描くシーンは、ガーデナーなら共感を覚えずにいられないはずだ。
映画のハイライトのひとつは、いくつもの花が見事に咲き乱れる隣人の庭を見て回るシーン。いったいどれだけの労力と時間と情熱が注ぎ込まれているのかと驚かされるが、なんとこの庭は亡くなった奥さんが残したもので、だからこそ彼は人一倍の愛情を注いで維持しているのだった。そうなのかー、人は死んでも、庭は残る。植物はそれでも毎年花を咲かせる。庭を通して自分が生きていた証を後世に残せるのだ、と目を開かれた思い。……だったのだけど、これはダンナがマメな庭好き男だった場合オンリーね。うちは完全にアウトだわ。
ただいま庭と格闘中。だけど、揺るぎないこのファッションセンス!
さて、必見なのはベラのガーデニング・ファッションだ。もう初日から黒い帽子に黒いベールをかけ、黒いブラウスに黒いパンツ、黒い長手袋に黒い長靴でビシッとキメている。どうも普段から着ているものの延長線上なのだけど、えらくスタイリッシュに見える。私など庭仕事をする場合は、わざわざそのとき家にあるいちばん汚い服を(その後洗濯するので)着ているから、これは衝撃だった。おおお、誰も見ていないからって最低の格好をしていたのではガーデニング意識が盛り上がらないんだなあ。ベラの場合、大嫌いな植物と格闘すべくファッションで自分を鼓舞しているわけで、これには見習うべきものがあると思う。後半も黒づくめなんだけど、いつの間にか素敵なジャンプスーツになったりしてて、お洒落すぎ。日本の暑い夏を思うと真似する気にはまったくなれないが。

黒のつなぎに黒いベール。手袋と長靴はゴムらしいけど、それすらカッコいい。 ヘタな絵でゴメン。
「真のガーデナーは花が咲くときよりも種が芽吹くときに感動する」なんて言葉も出てくる。現在いろいろな種をまいてその発芽具合に一喜一憂しているエディブル・ガーデナーとしては、おおお、やっぱり花を育てるガーデナーも思いは同じなのね! と思うのだが、エディブル・ガーデナーの場合、いちばん感動するのは実は(というか当然のことながらというか)収穫のとき! なのよねえ、正直言って。
とはいえ、この映画でガーデニングというものがクリエイティブな表現活動なのだということを改めて思い出させてもらった。そんな場所を持っているって、実に嬉しいこと。幸せなこと。食べるものばかりに心を奪われていないで、これからはお花も積極的に増やしていきたいな、などと園芸カタログをめくる今日この頃。いい刺激をいただきました!

モリアーティ、こんなところで何してるんだ? ご飯作ってますよ。
しかし、ベラは几帳面すぎるから庭仕事が苦手だったのよね。ある意味、几帳面とは程遠いエディブル・ガーデナーはバリバリ庭仕事に向いているのかもしれん。
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悲しい境遇に生まれながら健気に生きるベラを、男どもは放っておけません。
さて、エディブルといえどもガーデナーの端くれである私、ロマンスにはしゃいでばかりはおりませぬ。ガーデナー的観点からもしっかり鑑賞させていただいたわよ。
舞台がイギリスなだけに、お庭は当然「植物の自然な姿をそのままに生かす」イングリシュ・ガーデン。ガーデニングの盛んな国だけに、その辺のリアリティはしっかりしていて、たったの一ヶ月の期間で作り上げる庭がそんなものすごいことになったりしない。これがアメリカ映画だったら、最後にはターシャさんの庭みたいに壮大なことになって、湖面にボートが浮かび、マット・デイモンが白馬に乗って登場する……なんてことになっちゃうのだが。周囲の優しい男性陣の助けもあって(←主人公がめっちゃ美人のせいだとしか思えない展開)完成した庭は、やや日陰がちながら池などあって、彼女の思いがしっかり貫かれている。ベラがノートに庭のデザインをあれこれ描くシーンは、ガーデナーなら共感を覚えずにいられないはずだ。
映画のハイライトのひとつは、いくつもの花が見事に咲き乱れる隣人の庭を見て回るシーン。いったいどれだけの労力と時間と情熱が注ぎ込まれているのかと驚かされるが、なんとこの庭は亡くなった奥さんが残したもので、だからこそ彼は人一倍の愛情を注いで維持しているのだった。そうなのかー、人は死んでも、庭は残る。植物はそれでも毎年花を咲かせる。庭を通して自分が生きていた証を後世に残せるのだ、と目を開かれた思い。……だったのだけど、これはダンナがマメな庭好き男だった場合オンリーね。うちは完全にアウトだわ。

さて、必見なのはベラのガーデニング・ファッションだ。もう初日から黒い帽子に黒いベールをかけ、黒いブラウスに黒いパンツ、黒い長手袋に黒い長靴でビシッとキメている。どうも普段から着ているものの延長線上なのだけど、えらくスタイリッシュに見える。私など庭仕事をする場合は、わざわざそのとき家にあるいちばん汚い服を(その後洗濯するので)着ているから、これは衝撃だった。おおお、誰も見ていないからって最低の格好をしていたのではガーデニング意識が盛り上がらないんだなあ。ベラの場合、大嫌いな植物と格闘すべくファッションで自分を鼓舞しているわけで、これには見習うべきものがあると思う。後半も黒づくめなんだけど、いつの間にか素敵なジャンプスーツになったりしてて、お洒落すぎ。日本の暑い夏を思うと真似する気にはまったくなれないが。

黒のつなぎに黒いベール。手袋と長靴はゴムらしいけど、それすらカッコいい。 ヘタな絵でゴメン。
「真のガーデナーは花が咲くときよりも種が芽吹くときに感動する」なんて言葉も出てくる。現在いろいろな種をまいてその発芽具合に一喜一憂しているエディブル・ガーデナーとしては、おおお、やっぱり花を育てるガーデナーも思いは同じなのね! と思うのだが、エディブル・ガーデナーの場合、いちばん感動するのは実は(というか当然のことながらというか)収穫のとき! なのよねえ、正直言って。
とはいえ、この映画でガーデニングというものがクリエイティブな表現活動なのだということを改めて思い出させてもらった。そんな場所を持っているって、実に嬉しいこと。幸せなこと。食べるものばかりに心を奪われていないで、これからはお花も積極的に増やしていきたいな、などと園芸カタログをめくる今日この頃。いい刺激をいただきました!

モリアーティ、こんなところで何してるんだ? ご飯作ってますよ。
しかし、ベラは几帳面すぎるから庭仕事が苦手だったのよね。ある意味、几帳面とは程遠いエディブル・ガーデナーはバリバリ庭仕事に向いているのかもしれん。
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2017/04/22(土) | 2017年春夏菜園GO! | トラックバック:(0) | コメント:(2)