ビーツでボルシチ! なのだが。。。

 なんだか最近ボルシチ作りが流行っているらしい。友人、知り合い、近隣住人、みんなが「作った」と連日のように報告してくる。日露友好が進んでいる印なのか、KGBによる洗脳の成果なのか、今、ボルシチがやたらと熱い。しかも、あのビーツを用いて作っているというから本格的だ。

 いったい何が起こっているのかは不明ながら、流行に乗りたい私としてはすぐさまビーツを購入してボルシチ作りに勤(いそ)しみたい。しかしながら、それをさせてはくれぬ事情があるのだ。その苦しくも複雑な事情を、すでにボルシチ作りに成功した友だちに説明したところ、なんとありがたいことでしょう! でっかいビーツをプレゼントしてくれました!!!!

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 これが夢の野菜ビーツだ。聖護院カブほどじゃないけど、大きい。

 その大きさたるや、赤子の頭くらい、といったら大げさかもだが、猫の頭くらいある。重さにして526グラム。純正国産(長野県)で、
 お値段なんと、驚きの199円!!!!!!
 えええっ!?!? もらっておいてナンだけど、ビーツってこんなにお安いんざんすか?

 先日夕刊に載ってた女優、黒木瞳のエッセーによると、彼女が購入したビーツはなんと「一個856円」だったとか。セレブ主婦でもあらせられる黒木嬢はどうせ青山紀ノ国屋とかで、「ビーツ買おっか!」「いいんじゃない」(本文より)などと会話しながらカートに放り込んだのだと推察される。私がいただいたのはファンキーな丸正北新宿店経由。同じビーツでありながら、出自の違いが運命を分かつのねえ。

 しかし、値段がいくらだろうと料理しちゃえば同じだ。さっそく皮を剥いてみると、いやもう血も滴らんばかりの鮮やかな赤。どこまで切っても真っ赤である。包丁、まな板はもちろん、両手も真っ赤に染まって、とても野菜を調理しているとは思えない。外科手術の、いや、ちと間違えるとスプラッター映画の1シーンのようだ。

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なんだか心臓を取り出してきたみたい。猫もビックリである。

 ボルシチの作り方は簡単で、肉(牛すねを使ったけど、羊や豚でもいいらしい)を塩胡椒して1時間ほど煮込み、別に炒めておいたニンニク、玉ネギ、セロリ、ビーツ、ジャガイモ、ニンジン、パプリカ、キャベツ、トマト、イタリアンパセリなど野菜類を足してさらに煮込む。トマトピューレ、コンソメなどお好みで加えてもよし。私は隠し味に塩レモンをちょびっとプラス。最後にサワークリームを添えれば、どんなに出来が悪くてもけっこうロシア料理屋さんに来たみたいな感じに仕上がるから不思議不思議。

 いやしかし、自分で作っておいてナンだけど、自家製ボルシチ、ほんっとおおおーに美味しくできた! それもこれも素晴らしいビーツ(お値段199円)があってこそ! ヘタなロシア料理店の、ビーツの缶詰をトマトジュースで薄めたようなのとはわけが違う。柔らかな甘さ、とろけるような食感、そこはかとなく漂うロシア(正確には長野)の大地の香り。これは畑から採ってきた(正確には丸正から買ってきた)ばかりの野菜ならではの美味しさに他ならない。

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世界3大スープのひとつ、ボルシチ。ジャガイモやニンジンもみんなビーツ色に。

 というわけで、もらったビーツを使うというトリッキーな手段によりボルシチ作りを達成してしまったわけだが、先にも述べたように、私には「ビーツを購入してボルシチ作りに勤しみたいのだが、それをさせてはくれぬ事情」があった。
 そう。過去に幾多の失敗を重ねながらも、懲りることなく、この4月、3度目の正直(だったか4度目の正直だったか?)でビーツの種をまいていたのだ。そのときのブログは「今度こそビーツの実が収穫できるのか、葉っぱで終わるのか、3ヶ月後にご期待あれ」と偉そうに書いて終わっている。

 あれから半年以上の歳月が流れた。まさか「あのビーツはいったいどうなったんだろう」などと覚えている人はいるまいと思って、ビーツ栽培はなかったものとしてすっかりばっくれていた。とはいえ心の中では自責の念と運命を呪う気持ちが渦巻き、とてもビーツなど買う気になれない。買ってはいけないと思う。ところが今回、自ら購入はしなかったものの、もらったビーツでボルシチ祭りをやってしまったのだ。もう自家製ビーツにはこだわるまい。こんなにうまくて安いならバンバン買ってきたらいいさ! と、まるで呪いが解けたように開き直ることができた。なので、開き直ってビーツの失敗談を記しておくことにいたそう。

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4月9日、ビーツのためのスペシャルな苗床に種をまく。

 4月上旬、マニュアル通りわざわざ赤玉土や川砂を購入して準備したプランターにまいた種は、いちおう順調に成長を続けていた。大切なのは芽生えたばかりのときの水やりだ。ここで乾燥させてしまっては、3ヶ月で結実というわけにはいかない。なので連日せっせせっせとジョウロで水をかけ続けた。

 一週間もするとこちらの期待に応えるかのように双葉が出てきた。小さいながら、すでに茎は濃いエンジ色で、ビーツらしさが溢れている。「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」というけれど、大成する者は幼いときから人並みはずれているんですねえ。ビーツは双葉より赤し、である。

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ビーツの双葉が出てきた。土がいいせいか、発芽率もなかなか。

 6月。すでにきつい夏の陽光の中で赤や緑の葉が育っている。茎が赤くて葉がカラフルなのはスイスチャードに似ている。実際味も似ているんだけど、なんか今イチ元気がないのは、暑さのせいだろうか。密集させすぎなのだろうか。高原の野菜で暑さと湿気を嫌うというから、できれば本格的な夏が来る前に収穫したいのだけど。。。

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6月半ばのプランター。大きな実を期待している割には密植しすぎ?

 7月半ば、すでに種まきから3ヶ月以上が経過した。地表には実らしきものの一部が見えるのだけど、大きさはわからない。葉っぱはかなり元気に茂ってきていて、このまま放っておくと葉っぱに養分が吸い取られて実が大きくならないのではないかと不安になってくる。試しにひとつ引っこ抜いてみるか。

 あれっ!? こんなところにラディッシュ植えたっけ?
 と思うくらいのちっこさだ。卓球の球より小さいかもだ。半分に切ってみると鮮やかな赤で、血のような汁がジョワっと出てくるので、こりゃ間違いなくビーツなのだわ!と実感できるんだけど、いかんせん小さすぎる。こんなんじゃ20個くらいないとボルシチは作れない。だもんで、めでたいビーツ第1号はサラダの彩として使われ、ほとんど意識されないまま胃袋に収まってしまった。

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第1号のビーツ。ヘタなカブよりも小さい。むしろラディッシュ(二十日大根)。

 収穫のタイミングがちょっと早すぎたのかも? と思って、残りのビーツの収穫はさらに2週間ほどあとにした。のだけど、真夏のギンギンの日差しとジメジメの湿気に晒しておくのがビーツの実の成長の助けになるわけがない。意を決して全部引っこ抜いてみると、いちばん大きいのでも卵大、中には鉛筆みたいに細いのもあった。全部集めてもボルシチ一回分に満たない収穫量だった。三度目、もしかしたら四度目のビーツ栽培もこうして失敗に終わった。

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とりあえず収穫には至った。しかし、この小ささでは売り物にはならんなあ。

 とはいえ、チビっこビーツだってビーツには違いない。茹でて皮をむき、適当に切って瓶に入れ、お酢を注いでビーツの酢漬けにした。ビーツ自体がとても甘いので砂糖なしで甘酢漬けが出来上がる。独特の土の香りがして、上品な甘さ。赤い色がとてもきれいなので、お料理の飾りとしても大いに活躍してくれる。

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ビーツの酢漬け。これはこれでなかなか美味しい。暗紅色が実に美しい。

 などと書きながら、さすがにもうビーツが我が家庭菜園で育てられることはないだろうなあと思う。やっぱりこれは長野県みたいな高原の冷涼な気候じゃないとダメな野菜なのだ、と思うことにする。それに、よしんば頑張って大きいのを作れたところで、一個199円だもんねえ。黒木瞳ならその3倍くらいで買ってくれるかもだけど。


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2017/10/31(火) | 2017年春夏菜園GO! | トラックバック:(0) | コメント:(2)

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はじめ♪♪

『No title』

ボルシチにはビーツがマストアイテムなの!!??
なんだかすんごくおいしそうで、ロシアチック!!(?)
ロシアがどんなものかはロシアンティーとピロシキくらいしか知らないけどさ・・・w

ビーツも今年の気候じゃ難しいよ~
やっぱ異常気象なのは間違いないっす。
今年はうちのフェイジョアも実がたくさんついて、
お隣の今まで実をつけなかった柿もたくさん生ったんだと。
みんな身の危険を感じて種の保存に走ったのではないかと勘繰ってます。
で、ビーツは買えばいいってことよくわかったぁ~

2017/11/01(水) 17:40:42 | URL | [ 編集]

ginfoo

『Re: No title』

こんにちは、はじめ様!

さうなんですよ、ボルシチの赤い色はビーツあってこそ、みたいよ。
ケチャップではなくw
私もロシアはよーわからんけど、ボルシチとピロシキは大好き!
あとは「ハラショー」と「スパシーバ」でなんとかなるんではないかと。

しかしたしかに言われてみれば、異常気象のせいかもかもとも思うわー。
福耳とかパプリカとか、ほんとなら今頃最後の巻き返し的収穫祭になってるはずなのに、
ぜんぜん元気ないよー。ニガウリは沈没しちゃったしー。
たしかにブラックベリーとリンゴはやけに頑張ってたな。
果樹って種の保存に熱心だったりすんのかも!?!?

> で、ビーツは買えばいいってことよくわかったぁ~

はいそのとおり! よくできました!!!!

2017/11/01(水) 19:39:05 | URL | [ 編集]

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