市民農園デビュー

 ゴールデン・ウイークといえば、例年イッキ植え準備で火だるまになっているところなんだけど、今年はいろんな意味で2、3倍くらいの火だるまになっているエディブル・ガーデナーである。
 なんと、ほんの出来心で応募した市民農園(註:遊休農地を都市住民に貸し出して、手軽に園芸・耕作を楽しめるようにした農園=ブリタニカ国際大百科事典より)に当たってしまったのだ。市民農園といえばI市民垂涎の的、わずかな農地に10倍、20倍もの応募が寄せられるというもっぱらの噂だ(あくまで噂)。以前申し込んだら「補欠の7番目 」という結果。辞退者が出るわけもなく、農園なんてのはそんな簡単に借りられるもんじゃないのだ、と思い込んでいた。

 それがスルスルと当選してしまったのだ。しかしこれにはやっぱり裏があった。電話をくれた市役所の担当者によると、その土地は住宅の真横に位置し、時間や季節によっては日当たりが悪いんだそう。「見ていただいて気になるようでしたら、キャンセルしてもらってかまいません」とまで言う(補欠がたくさんいるから強気だ)。さらには「やや日照が悪いのを考慮して、他の農地は広さ18平方メートルのところ、こちらは19平方メートル以上になっております」などと不動産屋みたいなことまで言う。そんな広くなくてもいいんだけどなあ〜と思いつつ、とりあえず見に行った。

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ここがその市民農園。18平方メートルの農地が30区画ほどある。

 住宅地の真ん中に忽然と「百村農園」はあった。うちから歩いて5、6分のところで水の便もあり、大変利便性が高い。ほぼ南南西の面に長屋風の二階建て住宅が並んでいて、時間帯によってはその陰にどっぷり入ってしまうのだけど、それ以外の3面はスコーンとオープンになっていて、4面とも住宅に囲まれている我が家の庭なんかよりははるかに日当たりがいい。だから日照面に関しては私テキにはノープロブレム! なのだが、なのだが、なのだが。

 問題があるとすれば広すぎるということだ。
「何をバカなことをほざいておるのだ。そもそも農地を広げたくて市民農園を借りようと思ったのではないのか!?」
 おっしゃる通り。エディブル・ガーデンと称して我が家の庭を菜園に変え、これまで6、7年「週末農家」活動を続けてきた。しかし、つねにつきまとうのは農地の狭さだ。何を植えるにしても株数が制限されてしまうので、サツマイモやカボチャなどある程度の広さが必要な野菜は満足のいく収穫量が得られない。毎年ジャガイモが獲れたらいいと思うが、そうするためには他の野菜の栽培をあきらめなくてはならず、バリエーションが楽しめない。だから、もうちょっと農地が広ければなあああ、という思いをずっと抱いていたのだ。

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どこの区画もさまざまな野菜がびっしり植えられていて、熱気を感じさせられる。

 しかし、我が家は諸事情により現在菜園活動に従事できるのが私しかいない。あれも食べたいこれも食べたいと欲望だけは果てしなく膨らむものの、実際稼働できるのがひとりでは、理想と現実のギャップがあまりにも大きい。マジな話、自宅の庭を管理するのだけでもひと苦労なのだ。それを、さらに大きな農地を借りてしまって、いったいどうすんだよオイ。

 しかしまあ、こういうのもノリみたいなものなのであまり深く考えないことにする。19平方メートルあったって、全面に菜園を展開する必要なんてないのさ。あくまで今まで通り我が家の庭の菜園を主体にして、そこで植えきれなかったものを市民農園でやればええんでない? 実際使うのが半分だってかまわない。借りるのは私なんだから、好きにさせてもらうわ。って、それで一年16,200円の利用料を払うのはいかがなものかって気がしなくもないけど。まあ、良しとしておこう。

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雑草生い茂り、境界線もわからなくなっている我が区画。地面コチコチって感じ。。。

 てなことで、再度農園を訪れてみた。今回はスコップやクワを持参して土地の様子をチェックしてみる。
 最初見たときは草ぼうぼう、しばらく誰も足を踏み入れたことのない不毛地帯……みたいに見えたのだが、そんなに長い間放置されていたわけではないようで、1、2時間で大まかな雑草を取り除くことができた。我が家の土壌に比べると、まったく肥料っ気のない茶色の土。なんだけど、粘土質でもなくてけっこうサラサラしている。いわゆる「畑の土」っていうヤツらしい。石ころなど異物はほとんど混ざっておらず、アリや害虫は見当たらないものの、ミミズのような益虫もいない。
 ふむー。堆肥をかなり投入しないとダメだろうなあ。そして、サツマイモのような少ない肥料&放任で育つ野菜を植えるのがキモであろう。

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左隣は農耕ファミリーの畑。右隣は空き地。ゴミ置場として使わせてもらう。

 てなことで、ひとりスコップを手に荒れ野に立っていると、おじいさんが話しかけてくる。新しく借りることになりましたんでヨロシクと挨拶すると「大変だねー。最初はとにかく耕さないと。それには男手が必要だよ。家に帰って旦那さんを連れてきなさい」などという。「あはは、残念ながらシングルマザーなんですよ。いろいろあって生活保護がもらえず、食うにも困ってるんです」と嘘八百を並べるとドラマチックで会話も弾むのだが、面倒なのでニヤニヤしている。食うに困ってる人が16,200円出して市民農園しませんねふつう。

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ただいま造成中。人力はつらいよ。

 夕方、再度出直して黙々と土を掘り返す。我が家では暗くなってからも農耕活動はよくやるんだが(日焼けしなくていいから)、市民農園に人けはほとんどなく、思わず「閉園時間があるのか?」と看板をチェックしてしまう。
 19平方メートル全部を耕そうなんておかしな気を起こさず、野菜を栽培する場所限定でピンポイント的にシャベルを入れていくことにする。薄暗いので多少の問題は気にならない。ガシガシ耕していこう。あああああーっ、こういうときに電動耕運機、またの名をエレクトリック・カルチベーターがあったら、どんなにありがたいことでしょう。

 実際、耕運機購入というアイデアも脳裏を横切ったのだが。。。この市民農園、とりあえず2年間しか契約できないのだ。園主さんが高齢のため、2年後に存続するか否かが決まるという。そのたった2年のために耕運機買うのもいかがなものか。我が家の庭は狭くて耕運機で耕すのは無理だしねえ。それに、耕運機導入してる農園利用者はあまりいなさそうだし。さらに、耕運機を買った暁には元を取ろうとして必死に隅々まで耕してしまいそうな自分が想像できるから、やめておく。過労死したくないよ。

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人力でとりあえず3畝ほど耕した。かなり雑な作業だけど、気にしない気にしない。

 後日、休みの日に来てみると、小さな子供たちを連れた一家総出の農耕ファミリーもけっこう多いし、ひとりで来ている若い男や女もかなりいることがわかった。なんか、社会の縮図のようだね。老人がやけに目につくのは、来るべき高齢化社会を先取りしてるんであろうか。
 夕暮れの市民農園に佇んでいると、先日とは違うおじいさんが声をかけてくる。
「ここは年寄りが多いと思うでしょ。なにしろ年寄りは暇なんで一日中いるからねえ。若い人は仕事済ませたらさっさと帰っちゃうけど」
 あ、なるほどねえ。ここだとご同輩も多いし。
「そうなの。ここは老人のパワー・スポットなんですよ。元気もらいにやってくる」
 おおお、いいなあ。得られるものが野菜以外にもあるなんて。できるなら、私も2年と言わず、老人になってもずっと続けていきたいんだけどな。

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いつの間にか暗くなってた。帰るとき、まだ水を撒いている人がいた。

 住宅街の重なった屋根の上に満月。まー無理のないようにのんびりやっていきましょうか。2年であっても、それ以上であっても、菜園活動はロング・ラン、だからね。



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2018/05/06(日) | 2018年春夏菜園やらねば | トラックバック:(0) | コメント:(2)

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はじめ♪♪

『No title』

マジな菜園だぁぁぁぁぁ!!
これは。。。。。耕運機ですよお姉さん。
あっという間にふっかふかですよ。
いっそ小さな物置までおいてしまってはいかがでしょう??w
全面耕したら、いろんな野菜が取れ放題~~
って、近かったらシェアするんだけどなー。
前の家だったら車で15分くらいのところなのに・・・。
うらやましい~~~

2018/05/07(月) 16:21:37 | URL | [ 編集]

ginfoo

『Re: No title』

こんにちは、はじめ様!

やあああ、ほんと、この荒地を耕運機でガシガシ突き進んだら
さぞや爽快だろうなあと思いますわ。
もうそーなったら専業農家となって畑に余命を捧げるか!?!?
最近仕事ももっぱら減少傾向だしー。
つって、2年で菜園がジ・エンドになっちゃったら
耕運機を使うために市民農園を渡り歩いたりして。。。
そんな自分がやけにリアルに想像できるだけに
ぜえったい手をださないわっ!!  ちょっと自信ないけど(汗)

> って、近かったらシェアするんだけどなー。

あーっつ、それいいよねえ。耕運機借りられるしw
そおお〜なのね、車で15分ならお隣さんみたいなもんよね。
って、前の家の話だもんなあ。
しかし五月台のビーバートザン閉店しちゃったの。
なんか思い出いろいろあった店だから寂しいっす。

2018/05/07(月) 19:56:28 | URL | [ 編集]

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